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代表弁護士の眞木康州です。

 今日は、前回に引き続き、建築工事の請負契約における瑕疵担保責任についてお話しします。

 前回のブログで、建築工事の請負契約に関し、「瑕疵」の有無の判断基準について、最高裁判所の判例をご紹介いたしました。

 最高裁判所の判例によれば、建築工事の請負契約における「瑕疵」にあたるかどうかは、重大な約定違反があるかどうかを基準に判断されることとなります。
 ここで、重要な約定違反があるかどうかについてどのように判断すればいいでしょうか。約定違反があるかどうかを判断するには、当然のことながら、約定(契約内容)を確定する必要があります。

 契約内容は、契約締結時において交付される設計図書や請負契約の内訳書などによって確定します。また、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の融資を利用している場合には、住宅金融機構の共通仕様書(いわゆる公庫仕様書)も契約内容を画する要素になります(他方において、住宅金融支援機構の融資を利用しない案件において、住宅金融機構の共通仕様書どおりの内容になっていないことは、契約(約定)違反になるとは必ずしも言えません。)。

 上述のとおり確定される契約内容と実際の施工に差異がある場合には、「瑕疵あり」と判断されることとなります(もっとも、その差異が合理的な範囲内にとどまる場合は別ですが。)。
 では、設計図書等から契約内容が明らかにはならないものの、実際の施工が、建築基準法等の法令(施行令や国土交通省告示なども含む)に違反している場合は、どうなるでしょうか。
 このような場合には、当然のことながら「瑕疵あり」と判断されます。建築主と請負業者との間で、これらの法令基準を遵守することを明言していなくとも、法令基準を満たすことは当然の前提としているものと解されるからです。

 建築工事における「瑕疵」の判断基準については、ざっくりいえば上述のとおりですが、個別の案件においては様々な問題があって、そう簡単には判断できないのが実情です。

 次回は、「瑕疵現象」と「瑕疵原因」についてお話させていただく予定です。

このような紛争に巻き込まれた場合には、是非、一度、当事務所までご相談下さい。
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